こだわりの地酒と焼酎のお店 高木酒店

お燗酒のこと

・ お燗酒のこと

 温めたお酒をお燗酒と言います。誰でもご存じですね。お宅ではどうやってお酒を温めていますか。
 私は、恥ずかしながら白状しますけど、電子レンジを使っています。なぜ「恥ずかしながら」かと言いますと、利き酒師たる者、電子レンジでお燗などもってのほか。お燗は湯煎(ゆせん)で温めるものなんです。

 電子レンジがダメな理由はたった一つ、温度ムラができるからです。
 電磁波(マイクロ波と呼ばれます。)を当てて、食品に含まれる水の分子を振動させ、その摩擦で熱を生じさせるのが電子レンジの原理です。ですから徳利のような細いところや太いところがある形状のものは、電磁波が通るのにもムラができてしまうのです。実際に温めてみると、細い部分は熱くても太い部分はそうでもないことがよくあります。

 余談ですが、電子レンジの電磁波は、なぜ外に飛んでいかないのでしょうか。
 外に出たら大変です。レンジのそばにいるだけで火傷しちゃいますもんね。
 レンジの前面にあるガラスを見てください。金網が張ってありますね。この網が、電磁波を外に出さないようにさえぎっているのです。金属にぶつかると跳ね返る性質をもっているので安全というわけです。

 さて、ではなぜ湯煎がよいのでしょう。
 徳利に入ったお酒を湯につけると、中で対流という現象が起こります。温まったところが上に上がり、冷たい部分は下に下がるため、徳利の中のお酒は緩やかに回りながら温度が混ざり合っていくのです。
下の部分に冷たいところが溜まりますので、お燗の具合を確認するときに徳利の底に指を当てて温度を見るのはそういう意味です。
 対流という現象は全体を均一に温めますので、お燗酒にはとっても都合がいいのですね。
(焼酎のお湯割りでも、こだわりを持った方はお湯を先に入れますよね。)

 電子レンジですと水分子を急激に温めますが、アルコールは水よりも沸点が低いので、場合によっては気化したアルコールを一番に嗅いで、ツンと来たりします。また短時間の加熱のため、対流する時間がないのもあまりいいことではありません。

 また余談ですが、アルコールの分子と水の分子が融合することで、お酒は角が取れてまろやかに感じます。水とアルコールを融合させる手法は、焼酎ではよく使うんですよ。
 鹿児島などでは、焼酎をあらかじめ水で割っておいて、それを一晩おいておくんです。それを翌日にお燗にして飲むのが美味しい飲み方だそうです。
 日本酒でも「割り水燗」という手法があります。日本酒のアルコール度数は16度と焼酎やウイスキーよりも低めですが、量を飲みたいときや、アルコールをあまり強く摂りたくはないときなどにおすすめです。

 電子レンジはボタン一つで手軽に温められる魔法の箱ですねえ。
あまりに手軽で便利なものですから、私のような飲んべえはお燗の時間すら待ち遠しいので、すぐにボタンを押してしまいます。最近では使い慣れた徳利とお酒の入れ具合から、好みの温度に仕上がる秒数まで体得してしまいました。
 利き酒師仲間からの情報なんですが、徳利に割り箸を立てて電子レンジにかけると、うまい具合に温まるらしいです。内部で対流が起こるからなのだそうですが、確かに温度ムラは少ないように感じました。
 でも、今日あたりはゆっくりとお湯を使って、お燗をつけて飲もうかなと思っています。

お燗酒

 (平成23年1月)

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