こだわりの地酒と焼酎のお店 高木酒店

そば屋で日本酒

・ そば屋で日本酒

 
 10月の終わりになりますと、新そばが出回り始めます。そば好きには待ち遠しい季節ですね。お米でも野菜でも新しいものが美味しいのは当然の話。そばだって同じでしょう。
 何たって香りが違う。ほんのり甘さを感じるし、腰も強くてのど越しが違うよ。とは、そば好きの友人の弁。
 うちの息子も無類のそば好きでして、高校生の頃から一人でそば屋に入って大ざるを頼み、そば湯まで美味しくいただいてくるというツワモノでした。
 今から寒い季節に入っていきますが、ますますそばが美味しくなる季節です。

 関西はうどん、関東はそばと言われます。江戸は八百八町と呼ばれたほど人も町も多くあったのですが、その町の数よりそば屋の数の方が多かったとか。そんなそば屋で、日本酒を飲むのが江戸っ子の粋な遊び方だったそうです。

板わさ

 そば屋ならではの肴もいろいろ。板わさ、卵焼き、焼き海苔などなど。お目当てのそばを食べる前にいただくことから、「そば前」といわれます。
 また、そばの具だけを注文して酒を飲むこともできたようで、それを「抜き」と呼んでいました。「天抜き」は天ぷらそばのそば抜き、「鴨抜き」は鴨南蛮そばのそば抜き、といった具合です。
「天抜き」は天ぷらの吸い物みたいだということで「天吸(てんすい)」と呼ぶこともあります。ちなみに今でも大阪では肉うどんのうどんを抜いたものを「肉吸(にくすい)」と呼び、とても人気があります。似たものって各地にあるんですね。

 私も地元のうどん屋で、店主に無理を言ってスメ(汁の博多弁です。)をかけた丸天やゴボウ天などの具だけを注文して焼酎を飲んでいたことがあります。意外と安くあがるので通っていたのですが、いつのまにかそうしたメニューがお店の定番になってしまって、うどん屋だったのが居酒屋に変わっちゃいました。

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 「抜き」が流行ったのは、具を食べながら酒を飲んでいるうちにそばが伸びてしまうから、またそばを食べるとお腹が一杯になってお酒が入らなくなってしまうから、など諸説がありますが、いずれにしても天抜きでお酒を飲んで、締めにもりそばを一枚食べるというのが通の江戸っ子の楽しみ方だったようですね。

 さて、お酒の話です。江戸っ子は「抜き」でお酒を飲んだように、そばそのものにお酒を合わすことはしなかったようですが、そばもしっかり肴になるんですよ。ざるで味わうそばの風味、つゆの旨味には、軽快でみずみずしい生酒を冷やして飲むと良く合います。ちょっと辛口のお酒の方が爽やかさが増すと思います。
 やはり「抜き」がよいとおっしゃる方には、純米酒をぬるめのお燗でいただくのはいかがでしょう。つゆがしみた天ぷらに、ふくよかでコクのある一口が旨味を引き立ててくれるはず。

 私も今度そば屋に行った時には天ざるを頼んで、まず天ぷらで一杯飲んで、最後にそばを味わいながらまた一杯、といきたいものです。
 さて、冷酒にするか、お燗にするか、ちょっと悩みどころですねえ。

 (平成23年10月)

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