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土用丑の日

・ 土用丑の日

 博多の7月は祇園山笠と共に始まります。約1トンのヤマを担いで博多の町を疾駆する勇壮な祭りは15日早朝の「追い山」がフィナーレ。福博の町には本格的な夏が到来します。

 さて暑い夏ともなりますと食欲や体力も落ちて、夏やせ、夏ばてに悩むのは今も昔も変わりがないようで、万葉集に大伴家持(おおとものやかもち)が友人の吉田石麻呂(よしだのいわまろ)にあてた歌が収められています。
  石麻呂に吾物申す夏痩せに良しといふものぞ武奈伎漁り食せ

 「武奈伎」は「むなぎ」と読み、ウナギの昔の言い方です。ウナギは胸のところが黄色ですので「胸黄」から「むなぎ」、「うなぎ」と変わってきたそうです。
 この歌の意味は「夏ばてに悩む石麻呂さんに教えてあげましょう。夏やせにはウナギが効くといいますから捕って食べたらいかがですか」

 この歌にはさらに続きがあって、
  痩す痩すも生けらばあらむをはたやはた武奈伎を漁ると川に流るな
 「夏やせをしたって生きていることが一番ですよ。ウナギを捕ろうとして川に流されて命を落とさないようにね」
 石麻呂をからかっているのか、お茶目なところが何となく笑いを誘いますね。ちなみに石麻呂さんはガリガリに痩せたご老人だったらしいです。
 ともあれ古代から、ウナギは夏ばてに効くと言われていたのは確かなようです。

土用丑の日

 さて、今年の7月26日は土用丑(うし)の日。夏の暑い盛りの日ですね。さすがにどこのスーパーのチラシを見てもウナギが主役。
 この日にウナギを食べようと言い出したのは、江戸時代の狂歌師、大田南畝(蜀山人)であったと、また天才発明家の平賀源内であったとも言われております。

 似たようなお話なのですが、知り合いのうなぎ屋から売れ行きがのびるように何か宣伝をしてくれと頼まれた大田南畝は、万葉集の家持の歌を思い出し、「夏ばてにはウナギでしょう」という狂歌を作りました。残念ながらどういうものだったかは私も知らないのですが、これを宣伝文句にしたところウナギが売れ出したという説。
 また、平賀源内もうなぎ屋から宣伝を頼まれますが、丑の日には「う」の付くものを食べると良いとの言い伝えから「本日土用丑日」と書いた紙を店先に貼らせたそうです。それを見た江戸っ子は、丑の日→「う」の付くもの→ウナギということで、またまた馬鹿売れしたというお話です。

 さて時代は変わって平成の今ですが、夏ばてもさることながら昔では考えられない冷房病とかも現代人を悩ませています。古代から伝わる滋養食、うなぎを食べましょう。栄養もありますし、何より美味しいですもんね。
 天然物はなかなか高くて手が出ませんが、スーパーでは養殖の冷凍物など割と手頃な値段で蒲焼きを売っています。日本酒を少々ふりかけ、そのままレンジで温めても美味しいですが、ちょっと一手間かけると見違えるように美味しくいただけるんですよ。

かば焼き

 フライパンにウナギが半分浸るくらいのお湯と日本酒を入れて煮立たせます。そこに解凍したウナギを入れ、蒸し焼きにする要領で温めます。
 水気をぬぐって、油を引いたフライパンで表面をぱりっとさせたら、温めておいた市販のタレをからめていただきます。ふっくらと食感もよくなり、美味しい蒲焼きに変身しちゃいますよ。ぜひお試しを。

 さて、日本酒を合わせましょう。
 濃厚な味なので、生酒のようにあっさりしたお酒ではもの足りません。コクがあり味もはっきりしたものが良く合います。純米酒や本醸造酒、山廃や生もと作りのお酒など、どっしりとした味わいのお酒を、ぬる燗にして合わせましょう。

 もうひとつお勧めは熟成酒。熟成酒は名前の通り年月をかけて寝かせたものです。5年以上熟成させたものを古酒と呼んだりします。黄金色で若干の粘性と香ばしい熟成香が特徴で、こってりとした脂の味と濃い目のたれに良く合います。ちょっとお値段が高いのが難点ですけど。
 日本酒は長期に貯蔵すると、成分が様々に変化し、また色も黄色からやや褐色へと変わっていきます。独特の複雑さ、香味を持ったまろやかな酒へと生まれ変わります。肉や脂の濃厚な味の料理には特に良く合いますし、チーズとも相性がいいのですよ。食前酒や食後酒でも楽しめます。独特のクセが気になる方は常温で、好まれる方はちょっと高めの温度でどうぞ。

 (平成22年7月)

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