こだわりの地酒と焼酎のお店 高木酒店

旬について考えてみました

・ 旬について考えてみました

 
 目には青葉 山ホトトギス 初鰹
 江戸時代の俳人、山口素堂の句です。「目に青葉」と覚えていたのですが、「目には青葉」が本当ですね。素堂は山梨県の酒蔵の生まれで、江戸に出て俳句を学びました。松尾芭蕉の友人としても有名です。初夏の爽やかさと躍動感が鮮明なイメージで目に浮かびますね。

お魚

 江戸に回遊するカツオが現れるのが5月頃から。初物といわれる「はしり」の時季です。初物は寿命が延びるといって江戸っ子たちがもてはやしたのがブームの始まりですが、珍しい時季ですのでどうしても高価になってしまいますね。

 しかし、生鮮食料品の栽培技術や輸送技術が発達した現代では、初物の時季すらわからなくなってしまいました。
 値段が高いはしりの時季に合わせて生産し、出荷するケースも増えています。イチゴなどは顕著ですね。イチゴの旬は春から初夏ですけれども、ケーキなどに需要が多いクリスマス前には高値で取り引きされるので、12月ごろに盛んに出荷されるようになっていますものね。

 金田一先生の辞書を引くと、「旬」は、季節の食べ物の出盛りで一番味のいい時季だと書いてあります。
 出盛りとは市場への出荷が一番多くなる頃です。安くて美味しい時季ですね。
 「はしり」がいいか「出盛り」がいいか人それぞれでしょうけど、個人的には安くて美味しい時季が好きですね。

 さて、日本酒に旬ってあるのでしょうか。
 冬仕込みのお酒だと、年内に一番搾りの「あらばしり」が出ます。冬の間熟成して、春には「新酒」。夏になると火入れをしない「生酒」が出荷されますし、秋には熟成された「ひやおろし」。あらら、1年中出てますね。
 1年中が旬というのも変な言い方ですが、四季を楽しむ日本人が季節ににあったお酒を造りあげてきたのですから、1年中美味しいのもうなずける話。むしろ日本酒の役割は、旬の食材の魅力を最大限に引き立てるところにあると思います。

お酒

 アルコール度数もちょっと高めで旨味とコクがある、力強い冬の「あらばしり」は鍋料理や煮物などちょっと濃いめの味付けによく合いますし、すがすがしい香りと爽やかな味わいの春の新酒は、まるで若者のように生きがいいので、山菜や桜鯛など、生命の力を感じさせる食材と相性がいいお酒です。
 夏酒と言われる生酒はみずみずしさと爽やかさが魅力で、淡白であっさりした食材とよく合いますし、秋の「ひやおろし」は熟成された芳醇な味、まろやかさが持ち味ですので、冬に向かいしっかり栄養を蓄えた秋の食材ととてもよく合います。

 世界中のお酒の中でも珍しくどんな温度帯でもおいしく味わえる日本酒は、四季折々の形でお客様のニーズ、シチュエーションに合わせた飲み方を楽しむことができるんです。料理の味を損なわず美味しさを引きだしますので、繊細な日本料理のみならず、様々な国の料理と相性よくいただけるのも魅力ですね。
 日本各地、それぞれの風土で生まれた地酒の文化は、またその地域の伝統的な料理や食材と密接な関わりを持って育まれてきました。各地の郷土料理や特産品を味わう機会があったら、ぜひそこの地酒と合わせてみてください。お酒の楽しみ方がまた増えることと思います。

 (平成24年5月)

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