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福岡の人はブリが好き

・ 福岡の人はブリが好き

 
 いきなりですけど、福岡の人はあまりマグロを食べません。
総務省の調査では、福岡市のマグロの年間購入金額は48位です。49都道府県の県庁所在地での比較ですから、いかに食べていないかがわかりますね。
 一番多いのは静岡市です。比べてみると静岡市は福岡市の5倍以上もあるんです。

 でも決して福岡市民はマグロが嫌いなわけではありませんよ。原因は地元漁業の構造にあるんです。静岡県ではマグロ漁業が昔から盛んでしたし、現在でも水揚げは日本一です。
 じゃあ福岡市はというと、近海物の水揚げで多いものはアジ、サバ、タイ、ブリといったところ。タイの消費金額は全国で7番目です。
魚は鮮度が命ですから、地元に水揚げされる魚種がよく食べられるのは当然の話ですね。
 同じ大型の魚でブリを見てみますと、逆に静岡は44位とかなり下のほうになります。東日本はマグロ、西日本はブリに分かれているのも面白いですね。
 前置きが長くなりましたが、今回はブリの話です。

のぼり

 ブリのように大きくなるごとに名前を変える魚は出世魚と呼ばれます。
マグロなども名前が変わっていきますが、厳密に言われる出世魚は、ブリ、スズキ、ボラの3種類だけだそうです。地域によって名前が違いますが、違った呼び方でもちゃんと変わっていくところが面白いですね。
 九州地方では、ワカナゴ → ヤズ → ハマチ → メジロ → ブリ
 博多の魚屋さんだけかもしれませんが、養殖されたブリはどんなに大きくなってもハマチとしかいいません。博多のブリは天然ものの称号なんですね。
 ちなみに、スズキはセイゴ → フッコ → スズキ → オオタロウ、ボラはハク → オボコ → スバシリ → イナ → ボラ → トドといわれているようです。
 小娘のことを「おぼこ」と言ったり、粋でおしゃれな若者を「いなせ」と表現したりしますが、語源はボラの名前です。「結局、最後には・・・」というときも「とどのつまりは・・・」と言ったりしますね。

 新婚の家庭では、初めてのお正月になると、お嫁さんの実家にブリを贈るのが慣わしです。博多ではこれを「嫁御ブリ」と呼びます。嫁御振りがいいと言う意味に掛けているのですが、それだけにより大きなブリが好まれます。昔はもらった家では軒先に下げておいて、娘の自慢をしていたとか。博多だけでなく、結構あちこちの地域でこのような習慣はあるみたいですね。

 博多の雑煮にはブリは欠かせません。具材は各家庭でさまざまに楽しんでおられますが、ブリは必ず入っているみたい。
 寒い時期がおいしいですね。しっかり脂が乗って、刺身が一番です。大根おろしとカボスを添えての塩焼きも魅力ですが、照り焼きなどいかがでしょう。

ブリ照り焼き

 合わせ調味料は、日本酒、しょうゆ、みりんを同量ずつ混ぜ合わせたもの。甘い味付けがお好みなら砂糖を加えてください。ショウガを加えると一味変わってまたおいしいです。
 フライパンで焼き目をつけて、合わせ調味料を絡めていく方法もありますが、レンジで焼くと香ばしさが引き立ちますね。
 合わせ調味料に柚子の輪切りを加えて漬け込みますと、幽庵焼き(ゆうあんやき)も呼ばれる料理になります。江戸時代の、食通で有名だった茶人、幽庵が考案したのでこの名前がつきました。柚子の香りから「柚庵焼き」と書くこともあります。
 輪切りの柚子を入れますが、ちょっと絞ってから入れるとよく香りがたちます。3日ほど漬け込んで、水気を切って焼くだけ。さまざまな魚の切り身や鶏肉にも使えますよ。

 甘辛のしっかりした味ですので、合わせるお酒も腰が強いものを選びましょう。純米酒や本醸造酒、生もと造りのお酒など、お燗酒がいいですね。こうした種類のお酒は、しょうゆや味噌など、発酵食品の強い風味に負けません。
 塩焼きや刺身など、素材の淡白な味わいを楽しむ料理には、吟醸酒や生酒などキレがよくさわやかなお酒がよく合います。

 (平成24年1月)

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