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秋と言えばサンマでしょう

・ 秋と言えばサンマでしょう

 サンマといえば秋の味覚の代名詞ですね。路地裏でぱたぱたと団扇で七輪に火をおこし、煙を上げながら焼く様はまさに昭和の原風景。そういえばサザエさんにも出てきます。ドラ猫がくわえて逃げるシーン。
 サンマは「秋刀魚」と書きますね。見た目の通り、秋にとれる刀のような魚という語源ですが、夏目漱石は著書「吾輩は猫である」の中で「三馬」と書いているんです。「秋刀魚」の文字ができたのは大正時代なんだそうです。

目黒のさんま祭り

 落語に「目黒の秋刀魚」というお話があります。
 町から遠く離れた山の中にある目黒という土地まで出かけた殿様が、弁当を忘れてお腹を空かしていたところ、煙と共にうまそうな臭いが漂ってきます。なんじゃ、と尋ねたところサンマだという返事。周りが止めるのも聞かずに空腹の殿様、一口食べるとまあその旨いこと。すっかりサンマがお気に入りになってしまい、城に帰ってからもまたサンマが食べたくてたまらず、家来に命じます。
 庶民の魚が食べたいという殿様にびっくりした家来たちは、それでも日本橋にあった魚河岸から立派なサンマを取り寄せ料理するのですが、脂は体に悪いとか、骨が引っかかっては大変だとか、いろいろいじくり回したあげく、食膳に上ったときにはぼろぼろの無惨なかけらしか残っていません。それでも楽しみに待っていた殿様は一口食べるのですが、美味しいはずはないですよね。
 これはどこのサンマか、と家来に尋ねると、日本橋の魚河岸から取り寄せたものでございます、という返事。すると殿様、日本橋じゃ美味いはずがない。サンマは目黒に限る。とオチがつくお話です。このお話にちなんで、東京都目黒駅前商店街では毎年さんま祭りが行われています。

 目黒の殿様も大好きだったように塩焼きが定番ですが、料理法はいろいろですね。
 以前、気仙沼に行ったときには一匹丸ごとの佃煮が売っていて、珍しかったので思わずお土産にいくつか買ってしまいました。長くて持って帰るのが大変でしたけど。
 結局食べるときは一口大に切り分けましたので、珍しさも一瞬で終わりました(笑)。

 美味しいサンマを選ぶときは、ちょっとずんぐりして目が澄んだものを探しましょう。
 なるべくまっすぐで、口先が黄色がかったものがいいとも言われています。
 脂がのった秋の秋刀魚は、やはり塩焼きで食べたいですね。でも家のグリルで焼くと脂がくすぶって、部屋中に臭いがこもるのでどうしても腰が引けちゃいます。
 そこでお勧めは、フライパンで焼く方法。クッキングシートを敷いてサンマを並べ、蓋をして焼きますと、割と煙も少なく調理できますよ。2つに切って並べれば、以外と数も多く焼けます。
 やっぱり直火でなくちゃとおっしゃるお方、砕いた備長炭をグリルに敷いておくと、焼くときに落ちた脂が吸収されて煙や匂いが出にくくなるとも聞いておりますが、我が家ではもっぱらフライパンですのでこれは試したことがありません。

サンマの塩焼き

 アツアツの塩焼きにはなんといってもカボスと大根おろしですね。
大根には消化酵素が沢山含まれていますので、天ぷらやハンバーグなど油ものにも添えますし、魚の臭みを抑える働きもあります。
 大根はおろすことで辛くなります。辛みのもとは細胞の中にありますので、下ろし金で細胞を壊すことで外に出て、辛み成分へと変化します。ですから細かくおろすほど辛くなるのです。
 カボスの香りと酸味も欠かせません。生臭みを抑えて爽やかな香りが食欲をそそりますし、塩味には酸味がよく合いますね。

 さあ、美味しいサンマが焼けたら、お酒を飲みましょう。
 冷たいお酒はいかがでしょう。とろける脂とカボスの風味、醤油がしみた大根おろしを添えて、アツアツを一口。合わせるお酒は秋ならではの「ひやおろし」。冬にできたお酒を一度だけ火入れしてそのまま夏の間熟成させたものです。
 2度目の火入れをせず、「冷やのまま卸す」という意味の「ひやおろし」とか、秋までの半年間熟成させて酒質が向上したという意味の「秋あがり」とも呼ばれます。サンマを始め秋の味覚との相性はもう抜群。ぜひ一度お試しを。冷やしてお飲みください。

 (平成22年10月)

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