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飲みごろの温度

・ 飲みごろの温度

 飲み物を楽しむときには味はもちろんですが、飲み口の爽やかさ、快適さも大切ですよね。そういう意味からも、飲用温度はお酒を飲むときの大切な要素です。その時々の身体の状態、気候などでも飲み物を心地よく感じる温度が違うと思います。冷やしたり温めたり、様々な温度帯で美味しく飲めるのも、日本酒の大きな魅力の一つです。

 様々な種類の日本酒がありますが、それぞれ個性が生きる温度がありますので、タイプ別に大まかにご案内します。100%的中というわけにはいきませんが、一応の目安にはなりますのでご参考にされてください。

 日本酒は温度によって香りや味わい、口当たりが変わりますので、個性にあった温度を考える必要があります。

 香り・・・一般に温度が高いと香りが立ち、低いと閉じてしまいますので、香りを楽しみたいときは温かく、そうでないときは低めにします。

 味わい・・・温度が高いと甘味を感じるようになり、低くなると苦みが出てきます。

 口当たり・・・温度が高いとべたつくような感じになりますが、低くなるとサッパリと流れるような感じです。

 この3つの要素を組み合わせて、お酒の個性を見ながら美味しく飲める温度帯を探しましょう。ほんとに大雑把な話になって恐縮ですが、銘柄とかはこの際考えずに、お酒の分類ごとに美味しい温度帯を考えてみます。

 市場に出回る日本酒の70%は普通酒です。吟醸酒や純米酒といった特定名称酒以外のお酒ですね。
 普通の造り方でできたお酒ですから、逆に言うとすべての酒造工程を経てきたお酒なんです。専門的になりますが、粳米(うるちまい)を使い、速醸酛(そくじょうもと)といわれる近代的な製造方法で、醸造アルコールを添加し、火入れも濾過も済ませたお酒がほとんどです。精白率も高くないので爽快感は少なく、旨味が勝ったお酒が多いように思います。香り要素も少ないので、飲用温度を考えるには味わいと口当たりの2点に絞ります。
 爽快さは少ないので低い温度にする必要性も少なく、旨味を引き立てるには高い温度が適していますので、これはお燗酒が向いているようです。熱燗まで対応できるのも特徴です。

 吟醸酒はどうでしょう。吟醸香と言われるフルーティな香りが持ち味のお酒です。
 精白率が高いので、淡麗でサッパリしたお酒が多いようです。どんなお酒もそうなんですが蔵元によって味わいが異なります。特に吟醸酒はそれぞれの蔵元の自慢の味ですから、それこそ一概に言うことはできないので、ここでは口当たりと香りで考えてみましょう。
 華やかな香りが特長ですのでこれを生かすような温度帯を考えます。香りが立つのは高い温度なのですが、あまり温度が高いと爽快さが失われますので、中くらいの温度である常温か少し冷たいくらい(10℃~15℃)が最も適した温度帯でしょう。

 本醸造酒と純米酒はアルコールを添加するかどうかの違いですが、精白率は同じくらいなので似たような個性を持っています。合わせて考えてみます。
 米を思わせるふくよかな香りが特徴で、熟成が進んだものにはクリームのような香りを持つものもあります。旨味成分が多く、まろやかな口当たりが共通しています。甘みと旨味、酸味のバランスが持ち味です。一口目からボリューム感を感じさせるお酒が多いのも特徴です。
 香りはあまり華やかではないので、温度帯を考えるには、このボリューム感、コクや旨味を主体に考えましょう。旨味を引き立てる高めの温度が良いですね。40℃くらいがおすすめですが、べたつかない辛口のお酒なら熱燗でも合うのではないでしょうか。

 生酒系は香りはあまり強くないのですが、爽快で軽やかな味わいが特徴ですので、冷たい温度帯でいただきます。保存自体もしっかり冷蔵ですから、わざわざ温める必要はありませんね。

 日本酒には温度帯別の呼び方があります。いかにも花鳥風月の国らしい名前が付いていますので、ご紹介します。
・雪冷え(ゆきひえ)約5℃    ・花冷え(はなひえ)約10℃
・涼冷え(すずひえ)約15℃   ・冷や(常温を冷やと言います)
・日向燗(ひなたかん)約30℃ ・人肌燗(ひとはだかん)約35℃
・ぬる燗(ぬるかん)約40℃   ・上燗(じょうかん)約45℃
・熱燗(あつかん)約50℃    ・飛びきり燗(とびきりかん)55℃以上

 (平成22年11月)

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